初めて海外FXの口座を開設する際、戸惑ってしまうのが取引プラットフォームについてです。
「MT4・MT5とは?どう違うの?」
「どっちを使うべきなの?」
こんな疑問を持たれるのではないでしょうか?
ここではMT4・MT5がどんなプラットフォームなのかを確認するとともに、両者の違いについて詳しく解説していきます。
本記事を読めば、自分がMT4とMT5のどちらを使うべきなのかがわかる内容になっています。
実際にMT4・MT5の両方でEAの開発経験がある私が解説します。
基本的には、自動売買をメインにするならMT4。
裁量トレードをメインにするならMT5を選ぶのがおすすめです。
海外FXの手引編集部のご紹介
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MT4・MT5とは?
MT4・MT5は正式名称をそれぞれ「Meta Trader4(メタトレーダー4)」「Meta Trader5(メタトレーダー5)」といい、ともに無料で利用できる取引プラットフォームです。
MT4・MT5は世界で最も利用されているFXのプラットフォームであり、「海外FX=MT4・MT5」と言っても過言ではありません。
つまり多くの海外FX業者では、MT4・MT5のいずれかをダウンロードしなくてはトレードできないということです。
MT4・MT5は開発元のメタクォーツ社の公式サイトから行うこともできますが、各FX業者の公式サイトから行うとより簡単にダウンロードすることができます。
対応OSはWindowsとMacOSが一般的。
中にはWindowsのみ対応というFX業者もあるのでその点は注意しましょう。
対応デバイスはパソコン、スマートフォン、タブレットです。
MT4とMT5の違いとは?スペックを比較
MT4とMT5の関係を端的に表すと、MT4のバージョンアップ版がMT5です。
MT4・MT5のスペックを比較したのが以下の表です。
MT4 | MT5 | |
---|---|---|
操作性 | 慣れるまで時間がかかる | 慣れるまで時間がかかる |
動作速度 | MT5と比べるとやや遅い | 速い |
表示可能な時間足 | 9種類 | 21種類 |
標準インジケータ | 30種類 | 38種類 |
描画オブジェクト | 31種類 | 44種類 |
カスタムインジケーター | 多い | 少ない |
EA(自動売買プログラム) | 多い | 少ない |
EAのバックテスト | 時間がかかる | 高速化が可能 |
利用者数 | 多い | MT4と比べると少ない |
対応業者 | 多い | 普通(増加中) |
新しいプラットフォームであるMT5の方が、動作速度であったり表示可能な時間足といった機能面で優れています。
しかし一方で、EAや利用者数に関してはMT4の方が勝っているのが実際のところです。
MT4の特徴 | EAやカスタムインジケーターが多い
MT4は、使えるEAが多く自動売買に向いており、カスタムインジケータが多いため使い勝手が良いです。
そのためMT5がリリースされてしばらく経つのにも関わらず、利用している人の数はいまだMT5よりも多いです。
またMT4に対応しているFX業者の数が多いのも特徴です。
国内・海外ともに対応しているFX業者が多く、そのことも利用者数が多い理由としてあげられるでしょう。
その一方で、MT4はMT5に比べると古いプラットフォームのため、表示できる時間足が少なかったり、動作が少し思いのがデメリットです。
裁量取引がメインのトレーダーにとっては、少しストレスが溜まる取引環境と言えるかもしれません。
MT5の特徴 | 全体的に高性能なもののEAの数が少ない
MT5は動作の速さ、標準インジケータの種類、フィボナッチなどの描画オブジェクトの数などで、MT4を上回っています。
アップデートの回数を見ても、より多くのアップデートが繰り返されているのはMT5の方です。
そのため、これからMT5はさらに高性能になる可能性があり、今後MT4との差は広まっていくばかりでしょう。
また各FX業者の動きを見ても、MT5への対応を始めているところが数年前と比べて増えています。今後はMT5の利用者が増加することも予想されます。
その一方で、対応しているEAの数が少ないのが大きなデメリットです。
自動売買がメインのトレーダーにとっては大きなデメリットなので、今後の多くのMT5用EAの開発が待たれるところです。
MT4・MT5のスマートフォンアプリの違いついて
スマートフォンやタブレットでMT4・MT5を利用するには、専用アプリをダウンロードします。
アプリ版のMT4・MT5ではPC版よりも機能が制限され、主な機能の詳細は以下の通りです。
MT4 (PC) | MT5 (PC) | MT4 (スマホ) | MT5 (スマホ) | |
---|---|---|---|---|
チャートタイプ | 3種類 | 3種類 | 3種類 | 3種類 |
時間足 | 9種類 | 21種類 | 9種類 | 9種類 |
標準インジケータ | 30種類 | 38種類 | 30種類 | 30種類 |
描画オブジェクト | 31種類 | 44種類 | 24種類 | 24種類 |
自動売買 | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ |
アプリでは自動売買ができなくなり、MT5の機能が大幅に制限されます。
その結果、アプリ版のMT4・MT5のスペックはほぼ同じになり、操作方法や注文方法に若干の違いがあるくらいで、両者に違いは無いと言っていいでしょう。
MT4とMT5には互換性が無いので移行の際は要注意
MT4とMT5は開発元は同じなのですが、それぞれに互換性がありません。
つまり、MT4で使用しているEAやカスタムインジケータをMT5へは移行できないということです。
もちろん、MT5からMT4へという移行もできません。
カスタマイズしたチャートひとつとっても移行することができないので、MT4からMT5に切り替える場合は、表示させるインジケータやオブジェクトを最初から選択する必要があります。
MT4・MT5のどちらを使うべき?
MT4・MT5のどちらを使うべきかどうかは、トレードスタイルによって大きく変わります。
MT4とMT5、それぞれに向いているトレーダーのタイプについて見ていきましょう。
- MT4:EAによる自動売買を行うトレーダーにおすすめ
- MT5:裁量トレードがメインのトレーダーにおすすめ
MT4が向いているのは「自動売買」がメインのトレーダー
MT4が向いているのは「EAによる自動売買」を行うトレーダーです。
現存するEAも、今後開発されるEAも、利用者数が多いMT4の方が多いからです。
そのため、自動売買がメインのトレーダーの場合は、MT5よりもMT4の方が遥かにトレード環境としては良いでしょう。
MT5が向いているのは「裁量取引」がメインのトレーダー
MT5が向いているのは以下のようなタイプです。
- 機能性を重視している
- 裁量トレードがメインである
- これまでMT4・MT5を使ったことがない
自動売買よりも裁量トレードがメインであれば、より高機能であるMT5を使ったほうがいいでしょう。
また、これまでMT4・MT5を使ったことがないのであれば、まずはMT5から入ることをおすすめします。
なぜならアップデートの頻度からも、今後の機能性の向上はもちろん、使い勝手としてもMT5の方が良くなると考えられるからです。
初めて使うプラットフォームは慣れるまで多少時間がかかるので、より使い勝手が良い方を選択することをおすすめします。
EAの開発をする場合はMT5が圧倒的におすすめ
Meta Traderを使ってEAの開発をする場合は、MT5が圧倒的におすすめです。
その理由は「MT4の場合、バックテストの際にCPUをシングルコアでしか使えない」からです。
バックテストとは、過去のデータを使って、EAのパフォーマンスを検証することを指します。
これにより、EAが有効であるかどうかを判断可能です。
例えば最新のCPUの場合は、12コアのように「マルチコアであることが大半」です。
ですがMT4だと12コアのうちの1コアを使ってでしかバックテストができないので、どうしても時間がかかってしまいます。
MT4が登場した頃は、まだマルチコアのCPUが少なかったので、シングルコアにしか対応していないのも仕方ないでしょう。
ところがMT5の場合だと、CPUの力を余すことなく使い倒せるので、バックテストの速度が圧倒的に早いです。
またMQL5クラウドネットワークを使えば、世界中のパソコンのCPUを間借りして、バックテストを超高速化させることもできます。
そのため、EAを開発するのであれば、MT5を活用することおすすめします。
実際に私もMT5を使ってEAを開発しています。
MQL5クラウドネットワークは使うとお金がかかりますが、自分のPCの性能にかかわらずバックテストを高速で行えるので便利です。
海外FX業者のMT4・MT5対応状況まとめ
海外FX業者が取り扱っているプラットフォームは各業者によって様々です。
したがって「MT5を使いたかったのに、海外FX業者で取り扱いがなかった」とならないよう、事前に確認しましょう。
以下の表は、主な海外FX業者の取り扱いプラットフォームをまとめたもなので、参考になれば幸いです。
FX業者 | 取り扱いプラットフォーム | 最大レバレッジ |
---|---|---|
AXIORY | MT4・MT5・cTrader | 400倍 |
BigBoss | MT4・MT5 | 2,222倍 |
easyMarkets | MT4・独自ツール | 400倍 |
Exness | MT4・MT5 | 無制限 |
FBS | MT4・MT5 | 3,000倍 |
FXFair | MT4 | 1,111倍 |
FXGT | MT5 | 1,000倍 |
GemForex | MT4・MT5 | 5,000倍 |
HFM | MT4・MT5 | 1,000倍 |
iFOREX | FXnetView(独自ツール) | 400倍 |
IS6FX | MT4・MT5 | 1,000倍 |
Land-FX | MT4・MT5 | 500倍 |
TitanFX | MT4・MT5・ウェブトレーダー(独自ツール) | 500倍 |
Tradeview | MT4・MT5・cTrader | 500倍 |
XM | MT4・MT5 | 1,000倍 |
数年前まではMT4のみの取り扱いのFX業者が多かったのですが、現在では多くの業者がMT4・MT5の両方を取り扱っています。
MT4・MT5に関するよくある質問
ここからはMT4・MT5に関するよくある質問をまとめました。
- MT4とMT5にデモ口座はありますか?
- MT4・MT5はタブレットには対応していますか?
- この先、MT4が使えなくなることはありますか?
- MT4・MT5がダウンロードできない場合はどうすればいいですか?
- MT4・MT5へログインできない場合はどうすればいいですか?
MT4・MT5を利用する際の参考になれば幸いです。
MT4とMT5にデモ口座はありますか?
MT4とMT5を提供しているほとんどのFX業者でデモ口座が用意されています。
まずはデモ口座で使用感を確かめてから、リアルトレードへと進むのもおすすめのやり方です。
MT4・MT5はタブレットには対応していますか?
アプリ版MT4・MT5は「iPad」「Android」に対応しています。
ちなみにスマートフォンですと「iPhone」と「Android」対応です。
この先、MT4が使えなくなることはありますか?
MT4のアップデート頻度が低いことやMT5の機能性の高さから見ると、今後MT4の利用が終了する可能性もゼロとは言い切れません。
しかし、現状のMT4の利用者数や各FX業者の取り扱い状況から考えると、直ちにサービス終了ということは考えにくいでしょう。
MT4・MT5がダウンロードできない
対応OSが間違っていないか確認してみてください。
Windows用MT4・MT5はmacOSではダウンロードできないので、注意が必要です。
MT4・MT5へログインできない
ログイン情報が間違っている可能性があります。
通常、海外FX口座の開設手続きが完了すると、登録したメールアドレスにMT4・MT5へのログイン情報が送られてきますので、次の3点を確認してください。
- サーバー名
- 口座番号
- パスワード
これらの情報が間違っているとログインすることができませんので注意しましょう。
MT4・MT5の違いまとめ
ここまでMT4・MT5の違いについて詳しく見てきました。
結論としましては次の通りです。
- MT4:EAによる自動売買を行うトレーダーにおすすめ
- MT5:裁量トレードがメインのトレーダーにおすすめ
いずれにせよ、まずはMT4・MT5に慣れることから始めてみましょう。
しっかりMT4・MT5を使いこなし、海外FXの高レバレッジを利用して利益を重ねていってください。
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