FXの為替レートは、経済指標発表時に大きく動きます。
場合によっては、経済指標発表時に100pips以上動くことも珍しくありません。
そのため、FXで利益を出すためには「経済指標をどう活かしていくか」が重要になるでしょう。
そこで今回、海外FXの手引編集部は「累計収支がプラスの投資家は、ドル円を取引する際にどの経済指標を最重要視しているのか?」のアンケートを実施。
- ドル円を取引する際、どの経済指標を最重要視していますか?
- その経済指標を最重要視している理由は何ですか?
- その経済指標を取引にどのように活かしていますか?
そのアンケート結果から「我々はどの経済指標をチェックすべきか」を分析しました。
- 【対象者】FXで累計収支がプラスのトレーダー100人
- 【調査方法】インターネット調査(クラウドワークス)
- 【調査期間】2022年12月6日~2022年12月26日
- 【調査実施会社】一般社団法人ホワイトメディア認定協会
- 【調査実施サイト】海外FXの手引
【ドル円】投資家が最重要視している経済指標ランキング
投資家が最重要視している経済指標を聞いたところ、次のランキング結果が出ました。
「FOMC」「消費者物価指数」「雇用統計」の3つの経済指標に票が集中した形です。
なぜ多くの投資家がこれらの経済指標を最重要視しているのか、上位の3つをコメントを交えてご紹介していきます。
FOMC
FOMCとは、Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略で、米国の金融政策を決定する会合のことです。日本では、「日銀金融政策決定会合」で金融政策を決定していますが、それに当たるものがFOMCです。
引用元:FOMC│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券
今回、FOMCに投票した投資家は33人でした。
投票した投資家の意見
為替市場が米国の金利動向を過剰に注視する傾向にあるため。
予想と違う方向に行くと変動が凄くて、下手をすると反転してしまうのでかなり重要で気にしておかないといけない。
FOMCでの発言はとても重要であり、政策金利の上げ下げをこの場で世界に発信するため、方向性が上か下か明らかになるため、1番リスクなく取引を行えるから。
実際にFOMCの発表直後は、100pips近く動くことも珍しくありません。
FOMCの発表30分後にはパウエルFRB議長の記者会見があり、その際にもボラティリティが大きくなります。
金融政策はもっとも大きな指標の1つのため、投資家として見逃せません。
消費者物価指数(CPI)
米労働省労働統計局(BLS)が、都市部の消費者が購入する商品やサービスの価格の変化を調査して指数化したもの。変動が激しい食品とエネルギー価格を除いたコア部分の指数も同時に発表される。
引用元:アメリカ・消費者物価指数|経済指標|みんかぶ FX/為替
今回、消費者物価指数に投票した投資家は25人でした。
投票した投資家の意見
消費者物価指数により今後の利上げのペースなどが決まり、今の相場の流れの原因となるので。
最近の相場では、一番注目されていて、ドル円の乱高下が一番激しいと感じているから。
指標次第では100pips以上相場が動くため。
消費者物価指数(CPI)は、2022年後半から大きくドル円相場を動かしている印象です。
特に2022年8月10日のCPI発表直後は、たった5分で220pips近く動きました。
間違いなく、今後も注視するべき経済指標の1つでしょう。
雇用統計
米国雇用統計とは、アメリカの雇用の情勢(失業している人数や就業している人数など)を調査した統計で、最も重要な経済指標の一つです。
引用元:[米国雇用統計] そもそも「米国雇用統計」って何? | auじぶん銀行
今回、雇用統計に投票した投資家は22人でした。
投票した投資家の意見
為替相場で最も大きな指標だけにどちらに動くか予測つかないため 安易にポジション(ギャンブルトレード)は持たない。
雇用統計の発表直後は、大体1円ほどの為替変動を起こしますので、利益も大きくなります。ただし、一旦上がっても平均時給がどうなっているかで、直後数分で下がることもあるので油断は禁物です。
米雇用統計は固定曜日であるため対応しやすく、値動きも大きいため。
雇用統計は発表直後に50pips近く動き、2022年12月には200pips弱動きました。
動く時はかなり動くため、今後も注視が必要な経済指標です。
【ドル円】投資家は経済指標をどのように取引に活用しているのか?
重要視すべき経済指標が分かったところで、続いては「勝っている投資家は経済指標をどのように取引に活用しているのか?」を紐解いていきます。
- 「事前にポジションを解消する」と回答した投資家の意見
- 「大きく動いた後の戻りを狙って逆張りをする」と回答した投資家の意見
「事前にポジションを解消する」と回答した投資家の意見
FOMCの時は価格の動きが読めない上に動く時は激しいので投機的になりやすいので、デイトレードを基本軸で取引してるので、アメリカ時間で自分が寝る前の時間にポジションを解消するようにしている。仮にその時マイナスが出たとしても決めたルールを徹底する。
ギャンブル性を薄めるためにFOMC前後ではポジションを持たないようにしている。
本記事でボラティリティをご紹介している通り、一瞬で100pipsも動くのが経済指標です。
上手く事前にポジションを仕込めれば100pips儲かりますが、一方で一瞬で100pips近く損をする可能性も秘めています。
経済指標の前にポジションを持っておくことは、ある種のギャンブルにもなってしまうので、事前にポジションを解消する投資家が多くいました。
中長期前提でポジションを持つのは良いと思いますが、大きな経済指標前に短期目線でポジションを持つことはオススメしません。
「大きく動いた後の戻りを狙って逆張りをする」と回答した投資家の意見
経済指標発表後に大きく値動きした際に、値動き後の戻り(リバウンド)を狙ってポジションを持つことがあります。
大きく上がる、または下がった時のリバウンドを狙って入る。
経済指標では短期間で大きく動きますが、その後に元の価格まで戻る「全戻し」になることも珍しくありません。
そのため「大きく動いた後に、リバウンドを狙ってエントリーする」という投資家もいました。
経済指標で上がった場合、そのまま上がることもあります。
そのため「必ず全戻しになる」という訳ではありません。
もし全戻しを狙ってエントリーする場合は、事前に利確・損切りのラインを明確にしておく方が安心でしょう。
【ドル円】投資家が重要視している経済指標は見逃せない
今回のアンケートで、ドル円を取引する投資家が重要視している経済指標が分かりました。
- FOMC
- 消費者物価指数(CPI)
- 雇用統計
いずれも短期間で100pipsは平気で動くため、トレードスタイルを問わず、注視しておくべき経済指標でしょう。
大きな経済指標発表時はレートが乱高下するため、海外FXの手引編集部は「ポジションを持たず、静観する」ことをオススメしています。
大きく動き過ぎて全戻しになることも、そのままトレンドが続くことも、どちらも起こり得ることだからです。
経済指標が発表されたら一度静観し、動きが落ち着いてからエントリーすることで、大きな損失を避けられるでしょう。
本記事が、あなたのトレードの一助になれば幸いです。